大白蓮華 2015年(平成27年)6月号(No.787)
青年よ、不退の根を張れ!
創価学会名誉会長  池田大作

 青年の勇気は無敵だ。それは何も恐(おそれ)れない。
 青年の勇気は無限だ。それは決して諦(あきら)めない。
 「人生とは闘争(とうそう)であり、立ち向かう勇気を示すべき場である」と、アメリカ・ルネサンスの詩人ソローは快活(かいかつ)に叫(さけ)んだ。

 若者が新たな挑戦の勇気を持てない社会であれば、停滞(ていたい)し衰退(すいたい)する。自ら率先(そっせん)して挑(いど)み、後継の友を勇気づけていく。これがリーダーの責任てあろう。
 法華経には、地涌の菩薩は「其(そ)の心に畏(おそ)るる所無く忍辱(にんにく)の心は決定(けつじょう)し」(法華経472ページ)と説かれる。
 この地涌の心を、広布の父母から受け継ぎながら、わが創価の青年は、人間革命と広宣流布のチャレンジを繰り広げてくれている。何と頼もしいことか。
 正しき信仰とは、人間を限りなく強く、賢(かしこ)く、朗(ほがら)らかにする大勇(だいゆう)である。

 日蓮大聖人は、圧迫の中、戦う青年・南条時光へ、「どのようなことがあっても、嘆(なげ)いてはならない。きっぱりと思い切って、自分の思いと違うことが起こったならば、いよいよ、これこそ悦(よろこ)びと言い切っていきなさい」(1542ページ、趣意)と打ち込まれている。

 誰しも、「こんなに頑張っているのに、なぜ自分だけが」といった無念にかられる時がある。実は、その時こそ、大きく境涯を開くチャンスなのである。

 1人で悩まず、良き先輩に相談することだ。御書を拝し、題目を唱え、青年らしく思い切ってぶつかっていくのだ。打開できない壁など、絶対にない。
 
 わが師・戸田城聖先生の青年への励ましが蘇(よみがえ)る。
 「信心に、学歴や財産など関係ない。宇宙を変化させる南無妙法蓮華経という根源の力が、自分の生命にある。その力を開き現し、すべてを望む方向へと変え、開花させていけるんだよ」と。

 座談会には、尊(とうと)い体験を通して、「絶対に大丈夫!」「自分も変われる。現実も変えられる」等と語ってくれる先輩たちの大確信の笑顔が光っている。

 創価家族が築き上げてきた、民衆の、民衆による、民衆のための、励ましの世界こそ、青年を支え守り、仲ばす希望の大地だ。抜苦与楽(ばっくよらく)の慈悲(じひ)に満ちた、この心の安全地帯に、さらに青年を糾合(きゅうごう)していきたい。
 そこに、国土・社会の蘇生(そせい)の活力も漲(みなぎ)るからだ。

 5月3日を祝賀して、韓国では、2万人の青年が躍動する見事な平和フェスティバルが挙行(すいこう)された。
 その陰で、壮年部のアボジ(父)たち、婦人部のオモニ(母)たちが、新入会の友をはじめ青年部・未来部のメンバーを、わが子の如く1人ひとり大切に激励し、応援してくださったことを、私は忘れない。

 御聖訓には、「我等衆生(われらしゅじょう)・法華経を信じ奉(たてまつ)るは根をつけたるが如し」(827ページ)と仰せである。
 「因果倶時(いんがぐじ)」の妙法を行ずることは、たとえ結果が目に見えないようであっても、日々、幸福の根、功徳の根、勝利の根を揺るぎなく張(は)っているのだ。
 「じっとこらえて今に見よ」。これが学会精神だ。
若き地涌の友よ、たくましく天を突く大樹と育て!

 乱世(らん)で
   揺(ゆ)るがぬ誓(ちか)いの
     君(きみ)なれば
   巌(げん)と根を張(は)れ