大白蓮華 2016年(平成28年)1月号(No.795)


誓いし願 やぶるべからず 
       創価学会名誉会長  池田大作


 青き地球の新しい一年の自転(じてん)と公転(こうてん)が始まった。
 我らも、久遠元初の生命の太陽を輝かせながら、新しい息吹で、「一生成仏」という自転を、そして、「広宣流布」という公転を、たゆまずに進めたい。
 その推進力は、「法華経の行者の祈り」である。

 末法の御本仏・日蓮大聖人は仰せになられた。
 「大地はささばはづ(外)るるとも虚空(おおぞら)をつなぐ者はありとも・潮のみ(満)ちひ(干)ぬ事はありとも日は西より出づるとも・法華経の行者の祈りのかな(叶)はぬ事は あるべからず」(1351ページ)と。
 この妙法の無窮(むきゅう)の力用を万人が解き放つために、大聖人は、最極の唱題行を末法の全人類へ授(さず)けてくださったのだ。
 「法華経の行者の祈り」とは、「誓願」の祈りである。自らが「人間革命」を誓い、「宿命転換」を誓う。「自他共の幸福」を誓い、「立正安国」を誓う。
 そして、その成就(じょうじゅ)のために師子王の心で戦うのだ。

 創立の父・牧口常三郎先生は、自分だけの利益を願う「信者」であってはならないと戒(いまし)められた。
 創価の勇者は、全生命を燃えたぎらせて、大宇宙にまで轟(とどろ)きわたる題目を唱えながら、勇猛に、誠実に、忍耐強く、菩薩の行動に打って出ていくのだ。
 だから、強い。だから、負けない。
 人間として、これほど尊い生命の境地があろうか。この究極の正義の一念に呼応(こおう)して、諸天善神も、仏菩薩も、厳然と動き、働き、守護するのである。

 わが師・戸田城聖先生は、よく同志を励まされた。
 「大聖人を胸に、広宣流布へ祈り戦えば、どんな困難も打開できる。人生の幸福の土台を必ず築ける。
 一家眷属(いっかけんぞく)の永遠の福運も積める。
 一つ一つ、信心で勝つ! これが、我々の発迹顕本(はっしゃくけんぽん)に通ずるんだよ」

 福岡で広宣流布を誓い、村八分による店の窮地(きゅうち)も、わが子の難病も祈り勝ってきた草創の父母がいる。  
 何があっても、「信心は勇気たい。『冬は必ず春となる』よ!」と皆を励まし、三変土田(さんぺんどでん)に走ってきた。
 偉大な母は92歳の今も、矍鑠(かくしゃく)と仏縁(ぶつえん)を広げ、「題目は何でも開いていける力。どんな人にも仏性がある。こちらの題目で必ず変わる。妙法を抱きしめ切って、絶対、勝つばい!」と顔を綻(ほころ)ばせる。

 私たちが、朝な夕な勤行で読誦(どくじゅ)する自我偈(じがげ)には、「慧光諸無量(えこうしょうむりょう) 寿命無数劫(じゅみょうむしゅこう)」(慧光(えこう)の照てらすこと無量にして 寿命(じゅみょう)は無数劫(むすうこう)なり)とある。

 今、192カ国・地域の同志が心を一つに、「世界広宣流布」の大願成就を誓い、「世界の平和」と「一切衆生の幸福」を祈念する時代が始まっている。
 我らの「異体同心」の題目に勝(まさ)る智慧(ちえ)の光はない。この慧光(えこう)で、いよいよ地球を照らしていくのだ。ここにこそ、人類が永遠に栄えゆく軌道があるからだ。
 「ちかいし願やぶるべからず」(同232ページ)――この大誓願に直結し、いかなる試練も「風の前の塵(ちり)」と吹ふき飛とばして、今年も勝ち進もう! 地涌の我らは勝利を誓って、乱世(らんせ)に生まれてきたのだから!

 誓願
  祈りは無敵と
   万代に
  幸福勝利の
   大光 輝け