大白蓮華 2016年(平成28年)4月号(No.798)

一人ももれなく!喜びの舞を

 悠久(ゆうきゅう)のシルクロードの天地で語り継(つ)がれてきた英知の言葉(ことば)が、思い起こされる。

 それは、「良き人と友情を結べば、人生において、すべてを勝ち取ることができる」というのである。
 人間同士の豊かな「つながり」は、健康と長寿においても、かけがえのない力を持っていることが、
 今、医学的に多次元(たじげん)から立証(りっしょう)されている。
 深刻(しんこく)な孤立(こりつ)や無縁が憂慮(ゆうりょ)され、心の砂漠(さばく)が広がる少子高齢社会にあって、温かな思いやりに潤う命のオアシスこそ、創価の地区であり、ブロックである。

 我らは、来る目も来る年も、勇気と誠実の対話を重ねながら、人類をつなぐ友情のシルクロードを、遂に世界192カ国・地域まで間いてきたのだ。

 御聖訓には、「無一不成仏(むいちふじょうぶる)と申(もう)して南無妙法蓮華経を只(ただ)一度申せる人・一人(いちにん)として仏にならざるはなし」(1573行)と記されている。

 人々を幸福にする妙法の功力とは、これほどまで
に大きい。ゆえに仏縁(ぶつえん)を結ぶことが、いかに大切か。
 また、広宣流布の陣列(じんれつ)に、ひとたび縁(えん)した一人一人が、いかに大事な存在か、計(はか)り知れないのだ。

 日蓮大聖人は門下に、「一日片時(いちにちかたとき)であっても私の命を助けてくれた人々であるから、どうして他人のように思えようか」(1489ページ、趣意)と仰せである。
そして、その人の難しい立場を思いやられ、「何があ
ろうとも、どうして、あなた方を見捨(みす)てるようなことがあるでしょうか」(同行、趣意)と明言された。

幸福と
  勝利をつかむ
    広市旅
   あの友この友
     皆で愉快に

 御本仏の慈悲は、あまりにも広大無辺(こうだいむへん)であられる。
このお心を拝(はい)する創価家族のスクラムは、この世で最も明るく、麗(うるわ)しく、大らかな人間の絆(きず)なのだ。
 今、思うように会合に参加できない同志もいる。
 あるいは、組織から遠ざかって久しい場合もあろう。
 しかし皆、宿福深厚(しゅくえんじんこう)なるゆえに、妙法を受持した地涌の菩薩である。
 心田(しんでん)に蒔(ま)かれた仏種(ぶっしゅ)が、芽吹(めぶ)き、育(そだ)ち、花間いていかないわけがない。
 だからこそ、強盛に題目を送り、「歓喜の中の大歓喜」の波動(はどう)を、友の生命に伝え広げていくのだ。
 真心込(まごころこ)めて訪問・激励を、粘(ねば)り強く重ねていくのだ。
 創価の励(はげ)ましの達人たちは、まさに「柔和忍辱(にゅうわにんにく)の衣」を帯して、慈愛(じあい)の包容力(ほうようりょく)を発揮してくれている。

 たとえ、すぐに相手が発心しなくとも、焦(あせ)ることはない。祈り、動き、打ち込んだことは、「一念三千(いちねんさんぜん)」の力用(りきよう)で、未来までも変えていくからである。
 「一人」のためにと、2日がかりで、九州まで足を運ばれた、牧口常三郎先生は語られた。
 「私の足跡(そくせき)の後に必ず青年が続々と続きます」と。

創立の父の率先垂範(そっせんすいはん)を偲(しの)びつつ、私が九州へ第一歩を印したのは60年前、大阪の戦いの渦中(かちゅう)であった。
九州の宝友は、私と不二(ふに)の心で立ち上がってくれた。  
 広宣流布、立正安国(りっしょぅあんこく)の大誓願に勇(いさ)んで挑(いど)む歓喜踊躍(かんきゆやく)の舞は、必ずや新たな地涌(じゆ)の友を呼び出すのだ。

 さあ、栄光の5月3日から、創価女性の月・6月へ、青年凱歌(がいか)の7月へ、楽しく賑(にぎ)やかに大前進を!