大白蓮華 2015年(平成27年)5月号(No.786)

後継の光の君よ、学び勝て!
創価学会名誉会長  池田大作


「人」を育て、未来へ伸ばそう!
「人材」をつくり、社会へ送り出そう!
 無窮(むきょう)の光は、「人づくり」から生まれる。
「若き心は豊かな大地である。時に適(かな)っていれば、一言の種であっても、わずかのうちに、永遠なる果実を育む」。これは、ウルグアイの文豪ホセ・エンリケ・ロドの言葉である。

 青春の心の大地に、時に適った真心の励ましを送り、希望の種、向学の種、勇気の種を蒔(ま)いて、幸福勝利の果実を育(はぐく)むのが、我ら創価の未来部育成だ。
「声仏事(こえぶつじ)を為(な)す」(御書708ページ)である。令法久住(りょうぼうくじゅう)の伝持の人にかけゆく激励の一声また一声は、まさしく「仏の仕事」を為す最極の力といってよい。

 日蓮大聖人は、門下の家庭に新しい命が誕生したことを聞かれると、法難の佐渡より、「現世には跡(あと)をつぐべき孝子(こうし)なり後生(ごしょう)には又導(またみちび)かれて仏にならせ給うべし」(同1123ページ)と寿(ことほ)がれた。
 わが未来部は、世界広宣流布誓願を果たすため、今この時に躍(おど)り出てくれた、かけがえのない御本仏の仏子である。どれほど宿福深厚(しゅくふくじんこう)の1人1人か。
 濁世(じょくせ)なるがゆえに思わぬ試練もあろう。しかし、大聖人は幼子(おさなご)の病の報告に仰せになられている。
「わざはひ(禍)も転じて幸(さいわい)となるべし、あひかまへて御信心を出(いだ)し此(こ)の御本尊に祈念せしめ給へ、何事か成就せざるべき」(同1124ページ)と。いざという時の勇気ある信心が、一家の永遠の大福運を勝ち開くのだ。

 第3代会長に就任して、私が最初に結成したのも未来部である。手作りで薫陶(くんとう)を開始した鳳雛(ほうすう)たちと、私は「佐渡御書」の一節を深く強く拝した。
 それは、「師子王の如くなる心をもてる者必ず仏になるべし」(同957ページ)との仰せである。
 無名無冠の父母(ちちはは)たちが、私と共に「師子王の心」を取り出(いだ)して、いかなる苦難も恐れず、築き上げてきた異体同心の大城こそ、正義の創価学会だ。
 ゆえに、わが後継の未来部に託すべき学会精神の第一は、「師子王の心」である。
 未来本部、教育本部をはじめ、人材を育てる真の人材の力をいよいよ結集して、高等部・中等部・少年少女部の友を激励していきたい。

 私が見守ってきた大阪のドクター部のリーダーは、小学生の時に母を病で亡くした。祖母から信心を教わり、未来部の会合で、自分に自信を持ち、人に尽くす「生命尊厳」の仏法の生き方を学び、胸を弾(はず)ませた。
「学び抜いて勝つ」と努力を貫き医学者となった彼は、感謝と報恩の心に燃えて、渾身(こんしん)の力で活躍する。

 無量の光明(こうみょう)を放って涌出(ゆじゅつ)する地涌の菩薩さながらに、「従藍而青(じゅうらんにしょう)」の若人が喜び舞いながら登場する「世界広布新時代」は、今まさに到来した。
 愛する後継の光の君よ、君たちよ! 世界第一の創価の人材のスクラムで、伸び伸びと学び、鍛(きた)えてくれ給え! そして、世界の友と手を携(たずさ)え、新たな地球社会の希望の暁鐘(ぎょうしょう)を打ち鳴らしてくれ給え!

 健やかに
  創価の後継
    天高く
  学び光れや
    勝利の王者と