大白蓮華 4月号 巻頭言 2015-4

創価桜の道ひらけ!
                             創価学会名誉会長 池田 大作 

 毎日毎朝、私の心に響いてくる足音がある。
 それは、日本列島のあの道この道で、聖教新聞の配達の歩みを進めてくださっている、尊き「無冠の友」の足音である。
 その一歩一歩が、友に今日一日の前進の力を贈り、無量無辺の「心の財」を積み、広げているのだ。
 日蓮大聖人は、日女御前を励まされた。
 「大空には鳥の飛ぶ跡がある。人間には見えない。大海には魚の道がある。人間には見えない」
 「同じように、あなた日女御前の御身の内には、『宝塔品』が厳然とあるのである。凡夫には見えなくとも、釈迦仏・多宝如来・全宇宙の諸仏は御覧になっている」(1250㌻)と。
 たとえ誰が見ていなくとも、御本仏が厳然と御照覧くださっている「生命の道」がある。これこそ、自他共に生命の「宝塔」を輝き光らせていく、自行化他の仏道修行の「道」なのである。
 この娑婆世界には、御書に「冥きより冥きに入る」(560㌻)と喝破されているように、悪縁に引きずられて深い闇から闇へ彷徨う不幸が、あまりに多い。
 その悪道の流転を押し止めて、生きる喜びの道へ、希望の光の道へ、共に進みゆく哲理が、妙法である。
 ここに、「一生成仏」を勝ち開きゆく直道がある。また、「父母を扶くる道」(223㌻)という真実の孝養の道もある。そして万人を、これ以上ない幸福の境涯へとリードしていける「無上道」があるのだ。
  
   師弟して

    誓いの道を

      晴ればれと

    創価桜の

      満開勝利で


 現実の道には、荊も生い茂る。壁も立ちはだかる。出口の見えない、長いトンネルのような道もある。
 しかし、古代ローマの哲人セネカは、「ごつごつした道こそ、崇高の頂に達する道です」と言った。
 題目は、険難の坂も勇敢に上りゆくエンジンだ。
 知多半島の多宝の父母は、伊勢湾台風の被災にも、悪意や偏見にも、不退の心で、「我等の決めた」この道を切り開いてきた。同志と共に、走り、語り、愛する郷土の三変土田のため、今も戦い続ける。
 「悪口されると、余計に『よし、勝つぞ!』と燃えました。今、すべてが仏縁と信頼の道に変わりました。学会は、人を救う地涌の菩薩の団体です。友に会えば、すぐに歓喜の対話の道が広がります」と。
 苦難の中を、もがき、苦しみながらも、法のため、人のため、社会のため、前へ踏み出した一足一足は、黄金の即席となって、決して消えない。あとに続く人々に、限りない希望の道標と輝いていくのだ。
 わが師・戸田城聖先生は叫ばれた。
 「山道を大きな石がふさいで前に進めない。しかし、どうしても行かなくてはいけない。どうするか、その時こそ、『勇気』を奮い起こし、『智慧』を発揮していくところに、信心の本当の深さがある」と。
 我らは、広宣流布の正道、立正安国の開くことを願って生まれてきた。
 「新たな友よ、集い来れ!」と声をかけながら、今日も強く朗らかに、創価桜のこの道を征劫!

                           2015-4 大白蓮華