7月号

御書とともに! 大聖人と同心で!


   創価学会名誉会長  池田大作


 人間は、皆、幸福に輝くために生まれてきた。
 人生は、本来、不幸の闇(やみ)を打ち晴らす劇である。
 その光の源(みなもと)を、民衆はどれほど久しく追い求めてきたことだろうか。

 宿福深厚(しゅくふくじんこう)にも、我らは大仏法に巡(めぐ)りあうことができた。この生命尊厳の極理(ごくり)があますところなく説かれた「太陽の宝典」こそ、御書に他(ほか)ならない。

 日蓮大聖人は、「仏の御意(みこころ)あらはれて法華の文字となれり、文字変(へん)じて又仏の御意となる、されば法華経をよませ給はむ人は文字と思食事(おぼしめすこと)なかれすなわち仏の御意なり」(469ページ)と仰せになられた。

 御書を拝読することは、御本仏の御意を直接伺(うかが)い、大聖人の大生命にそのまま触れることなのである。

 大聖人ご自身が、ありとあらゆる三障四魔(さんしょうしま)、三類の強敵と戦われ、命に及ぶ大難を勝ち越えゆかれる渦中(かちゅう)に、一切衆生を断じて救わんとの迸(ほとばし)る大慈大悲(だいじだいひ)で綴(つづ)り残された一文また一文こそ、御書である。
 拝する我らの心も、赫々(かっかく)たる元初の朝日を浴びたように蘇(よみがえ)る。勇気が希望が、力が智慧(ちえ)が、燃え上がる炎(ほのう)の如く、生命に湧(わ)き起こってくるではないか。

 わが師・戸田城聖先生は、厳然と語られた。
 「どんな難事にぶつかっても、御聖訓の通り戦い、すべてを乗り切っていく。御書を通じて、大聖人と直結して勝つのだ。これが学会精神だよ」と。
 この御書根本の「絶対勝利」の大光(たいこう)で、我ら創価の師弟は、悩める友の心を照らし続けてきたのだ。

 嵐にも
   断じて負けぬ
     信念を
   御書をひもとく
      喜びあふれて

 病と闘(たたか)う女性門下への御手紙には、「設(たと)い業病(ごうびょう)なりとも法華経の御力(おんちから)たのもし」「いかでか病(やまい)も失(う)せ寿(いのち)ものびざるべきと強盛にをぼしめし身を持(じ)し心に物をなげかざれ」(975ページ)と激励なされている。
 誰人も避(さ)けられない「生老病死」という苦悩を、根源的に打開する道が、御書には明かされている。
 その仰せのままに励まし合い、支え合って、1人1人が変毒為薬(へんどくいやく)し、宿命転換の実証を打ち立てつつ、学会は「常楽我浄(じょうらくがじょう)」の連帯を創り広げてきたのだ。

 さらに御書は、戦乱や災害にも断固として屈することなく、平和と繁栄の社会を建設しゆく「立正安国」の法理を留(とど)めてくださっている。それは、人類を結び、新たな地球社会を導(みちび)く羅針盤らしんばん)となろう。

 紛争(ふんそう)の悲劇から立ち上がった、東欧のクロアチアでも、待望の支部が結成され、尊(とうと)き同志たちは真剣に御書を学び合い、希望の対話の花を咲かせている。
 支部のリーダーたちは胸を張る。「苦しんだ人が仏の力を最大に顕現(けんげん)でき、その国土が世界広布の模範(もはん)を示せる。私たちは、この使命を自ら選び取った地涌の菩薩です。1人の人間革命から皆の幸福を開く、一念三千の仏法に諦(あきら)めも後退もありません」と。

 「行学の二道」に励(はげ)むスクラムは、今や全世界を包み、教学試験も日本はもとより各国で行われている。
 受験する友も、応援する先輩も、溌刺(はつらつ)と求道の心で学び合い、実践に打って出よう! 今日も、御書とともに、大聖人と同心で、我らは勝ち光るのだ。