大白蓮華 2014年(平成26年)8月号(No.777)
巻頭言
未来部は地球家族の旭日なり
人の生命が誕生する。それは、全宇宙から地球に贈られた、かけがえのない宝といってよい。
「子どもこそ人類の創造者」と謳(うた)ったイタリアの教育者マリア・モンテッソーリは語っている。
「子どもには、いまだ知られていない力が秘められており、私たち人類を輝く未来に導いてくれます」と。
仏法の明鏡(めいきょう)に照らすならば、今この時代に生まれ、育ちゆく子どもたちは、21世紀のこれからの世界をリードする大力(だいりき)を帯(お)びて登場してくれたのだ。
それゆえに、「桜梅桃李(おうばいとうり)」の法理の如く、それぞれの子どもが持つ多彩な、計り知れない可能性を、健やかに個性豊かに発揮していけるよう、私たちは真剣に祈り、心を尽くし、力を合わせていきたい。
法華経の会座(えざ)で、「即身成仏(そくしんじようぶつ)」の現証を最初に示して、「万人成仏(ばんにんじようぶつ)」の道を踏み開け、衆生の心を大いに歓喜させたのは、8歳の竜女であった。
日蓮大聖人は、南条時光(なんじょうときみつ)兄弟、乙御前(おとごぜん)、月満御前(つきまろごぜん)、経王御前(きょうおうごぜん)など、門下の子らを最大に慈しまれていた。
「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」(1253ページ)との仰せは、夫に先立たれた妙一尼(みよういちあま)と共に、幼子たちへの励ましでもあると拝される。
子どもは、いくらでも伸びる。劇的に変わる。
師・戸田城聖先生は、「手のかかる子ほど立派に育つものだ。親も子も共に、大聖人の仏子である。学会の庭で子どもと一緒に伸びていこう! この一念から変わっていくんだよ」と言われていた。
勉学の
翼(つばさ)を広げて
君ぞ 翔(と)べ
未来の空に
凱歌(がいか)の虹を
未来部は第2代の私の手作りである。
草創の未来部の友と「日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱(とな)へしが、二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし、是(これ)あに地涌(じゆ)の義(ぎ)に非(あら)ずや」(1360ページ)との節を学び合い、私は申し上げた。
―― 大切なのは1人です。1人から広がるのが「地涌の義」です。その1人になっていただきたい、と。
いかなる時も、いずこにあっても、人の若き生命を励ませば、そこから希望の未来が生まれる。
現代社会には、若人を惑(まど)わす悪縁が渦巻(うずま)いている。
身近な地域にあって、1人1人を信頼の眼差(まなざ)しで見守り、温かな声をかけ、成長を願い、待ち、喜んでくれる創価家族こそ、絶対勝利への安全地帯である。
半世紀前、未来部結成と時を同じくして渡米した母は、食事代にもこと欠く中、広布に走り抜いた。
長男は、英語の苦手な母の通訳となり、体の不自由な弟を支えた。
どんな苦労にも負けない母から学んだ学会精神で、勉学と活動に挑み、全米の高等部長、青年部長も務めた。周囲の激励への感謝を胸に、アメリカ創価大学で英才の薫陶(くんとう)に励んでいる。
限りない宿縁と福運に満ちた地涌の友が、澎湃(ほうはい)と世界中で躍り出る時が来た。「法華経の命を継ぐ」(1169 ページ) 誓いのリレーで、我らは断固と勝ち続ける。
地球家族の希望の旭日たる未来部の君たち、貴方(あな)たちよ! 「広宣流布」という大願を果たし、人類の平和と幸福の朝をもたらしてくれ給え!