大白蓮華 2014年(平成26年)5月号(No.774)
創価の世雄よ信心で勝て!
「鉄の意志を持つかぎり、逆境(ぎゃっきょう)も好機(こうき)へと転じることができる」
これは、アフリカの人権の巌窟王(がんくつおう)マンデラ元大統領が、弾圧の獄中から愛娘へ送られた手紙の一節である。この揺るがぬ不屈の信念から、万人を包み、励まさずにはおかない笑顔が生まれたに違いない。
わが尊き同志たちも、厳しき現実の社会にあって、千差万別の逆境と戦っている。
身を切られるよう窮地(きゅうち)もあろう。一時は負けたように見えて、悔(くや)しさに血涙(けつるい)をしぼる時もある。
しかし、仏の異名は「世雄(せおう)」。すなわち、社会で絶対に勝利しゆく大英雄である。
この仏の大法を持った我らには、乗り越えられない苦難はないのだ。
日蓮大聖人の御在世も、門下たちには、謹言(ざんげん)による所領(しょりょう)の没収(ぼっしゅう)や勘当(かんどう)など、社会的、経済的な危機に及ぶ圧迫が打ち続いた。
けれども、皆が「なげきたるけしきなくて(嘆(なげ)いた様子を見せないで)」(1163ページ)、また「すこしも・ひるむ事なかれ」(1090ページ)等々の御聖訓を胸に、断固として勝利の実証を示していったのである。
師・戸田城聖先生の事業を支えて、私も何度となく「これで万策尽きたか」という局面に立たされた。
そのどん底からが、真の信心の戦いの始まりである。
師子奮迅(ししふんじん)のカを奮い起こして、師をお守りし抜いた。
我らには、一切を踏みこたえ、断固として活路を切り開いていける「法華経の兵法」があるのだ。
乱世(らんせ)にて
苦難に挑む
友ありて
希望の笑顔
社会に満つらむ
「大悪(だいあく)をこれば大書(だいぜん)きたる」(1300ページ)との御文を拝し、師は苦境の友を抱きかかえて激励された。
「妙法の力で、何百倍と変毒為薬(へんどくいやく)して、大功徳を開ける時が来たんだよ!」「最後の勝利は、苦労した人間には敵(かな)わない」と。
どんな壁に突き当たっても、題目を唱え抜いて、智慧(ちえ)を出し、創意工夫を重ねて、粘り強く誠心誠意の努力を尽くしていくことだ。必ず必ず打開できる。
なぜ、難難があるのか。永遠に仏になるためだ。
「それでも負けなかった」「それでも耐えて勝った」と、この婆婆(しゃば)世界で苦闘する友に希望と勇気の光を贈るためである。ゆえに、臆(おく)さず惑(まど)わず、迎え撃つのだ。強気で悠然と、勝ち切ってみせるのだ。
草創の滋賀の夫妻は、幾度もの倒産から立ち上がり、機械一台から工場を起こした。
広宣流布の闘争からも一歩も退かず、忘恩(ぼうおん)の悪侶とも戦い抜いた。
「恐れれば魔が笑う。創価の我らの底力を見よ!と、試練の方が音を上げるまで戦いました。労苦ただただ感謝です」
この偉大な父母の闘魂(とうこん)を、創価大学に学んだ子息(しそく)が立派に受け継いでいる。
一人の勝利が職場を変える。地域を変える。
わが友の「世雄」の大使命こそ、不況にも災害にも屈(くっ)しない、幸福と繁栄の社会を照らす太陽である。
さあ今日も、金剛不壊(こんごうふえ)の信心で、題目の師子吼(ししく)を轟(とどろ)かせ、人が見ようが見まいが、大誠実の行動で悔いのない価値創造を成し遂げようではないか!