2010・1月号 大白蓮華 巻頭言

「人間革命」光あれ
              創価学会名誉会長  池田大作

旭日の 
 昇らむ勝ちゆく
   人生は
 なんと楽しく
    何と誉れよ

「日月天の四天下をめぐり給うは仏法の力なり」〈1146〉
今この瞬間も、大宇宙は止まることなく正確に運行している。その宇宙を動かしゆく本源の力と同じ力が、私自身の生命の中にある。この力を完璧に解き放てる秘術が、信心である。
ゆえに我らは、来る年来る朝、わが胸に元初の太陽を昇らせ、新しい一日を、新しい人生を晴れ晴れと勝ち進んでいくのだ。
「今以上に知ろう、もっとできる、もっとよくなれる、という望みが、人間を絶えず新しくする」とは、南米アルゼンチンの大思想かホセ・インヘニロス博士の言葉である。
誰人であれ、一年また一年、妙法に則り、生まれ変わった息吹で、価値創造の軌道を向上できる。先哲が希求し続けてきた、この生命の真髄の道を、戸田先生は「人間革命」と宣言された。

この人生
 願いはひとつ
   永遠の
 勝利の生命の
   革命なるかな

「人間革命」とは、人間を超越した存在になることではない。泥沼のような現実の生活の中にあって、悩み多き凡夫のまま、わが心を百八十度、ダイナミックに大転換させゆくことである。
「戸田大学」で拝した「当体義抄」には、「但法華経を信じ南無妙法蓮華経と唱うる人は煩悩・業・口の三道・法身・般若・解脱の三徳と転じて」〈p512〉とお約束であられる。
いかなる悩みや悪業や苦難にも、絶対に負けない。むしろ、あえて試練と戦って、仏の命と仏の智慧と仏の境涯を開くのだ。
日蓮大聖人は、その究極の手本を示してくださっている。
妙法とともに、師とともに師子王の心で戦えば、必ず仏になれる。地獄さえも、寂光土に変えられる。家庭も地域も変わる。この最も劇的な生命の「革命」を、あの友この友と世界中で成し遂げ、幸福と平和の連帯を広げてきたのが、創価の師弟である。

断固勝て
 人間革命
   三世の光と

世の多くの「革命」は、時につれ、原点の瑞々しい初心を失う。惰性に流され、再び腐敗してしまう。これが歴史の常であった。「人間革命」は、その不幸の流転を根源から変える挑戦である。
五十七歳で入信された牧口先生は、「言語に絶する歓喜を以て殆ど六十年の生活法を一新するに至った」と語られた。
日蓮仏法は「本因妙」である。これまで、どうであったかと、振り向くのではない。これから、どう開くかと、前へ進むことだ。心が傲って老いれば、命は澱む。それでは、勝利の力は出ない。だからこそ、常に青年を育て、青年と行学の二道に励むのだ。
広宣流布は仏の仕事である。その仏の聖業に労苦を惜しまず挑むからこそ、凡夫の我が身に久遠の仏界が湧現するのである。
「一念三千の仏法だ。まず、“こうしてみせる”と決めなさい。広宣流布のいかなる闘争も、一人ひとりの宿命転換と人間革命の戦いだ。大変だからこそ、偉大な勝利がある。ゆえに、悔いなく戦い切れ!」。この恩師の指導のままに、私は走ってきた。

「教主釈尊の出世の本懐は人の振る舞い」〈p1174〉と仰せの如く、人間革命の実証は「振舞」となって現われる。「あの人は、いつも生き生きと見違えるように変わっている」という人間革命の姿が、人の心を打ち、仏法への共感を広げるのだ。
悪世末法の闇は深い。今まで以上の祈りと行動で、人間性が光り輝く人材が続々と躍り出なければ、世界広宣流布は進まない。
デューイ教会のガリソン前会長は讃えてくださっている。
「『人間革命』の理念を掲げる創価学会は、“どこまでも成長する宗教”です」「師匠という原点、伝統を正しく踏まえ、若々しさを堅持していく限り、そしてまた成長し、価値創造を続けていく限り、学会は千年の繁栄を築くでありましょう!」
去年より今年、昨日より今日と、一歩でも前進すること――それが人間革命だ。自らが変われ!そして勝利を開きゆけ!

君立たば
 何処の天地も
   晴ればれと
 生命の歓喜
   花は爛漫