我らの運動こそ民主主義の模範

 アメリカの大統領選挙が白熱しているが、日本でも与野党の代表選挙から総選挙に向けて熱気を帯びてきた。
 戦後63年にして、大きな曲がり角にあると言われる日本の民主主義。公明党をはじめ、国民生活に奉仕し、国の将来を切り開く力強いリーダーシップを期待したい。
 民主主義社会で求められる指導者の大切な資質は、(1)国民に尽くす哲学と信念(2)公明正大な対話の精神(3)世界の動向を見すえたビジョン、などであろう。
 アメリカの民衆詩人ホイットマンは「改革が必要であればあるだけ、それを成就するための『人格』が必要になる」と謳った。社会を変えゆくには、指導層から庶民まで、広い意味での人格の力――境涯を拡大することが根本だ。
 仏法を根幹とした学会の対話運動は、一人一人が人間革命に挑戦し、現実生活に勝利し、民衆次元から社会を変革しゆく民主主義の模範の潮流である。列島中で老若男女が集う座談会をはじめ、学会の同志の“励まし対話”の熱気が、どれほど力強く地域を支えていることか。
 今や世界192カ国・地域に広がった学会の運動には、「池田大作氏は、個人の内面の変革が平和への基盤であることを説き、現代における日本の権威的な社会の民主化に多大な貢献を果たした」(米ピッツバーグ市「池田大作・社会建設者の日」宣言書、2004年11月)など世界から絶賛が寄せられている。
 「青年よ、心して政治を監視せよ」(戸田第2代会長)との精神に立って進めてきた公明支援の活動も、民衆自身の力で民衆のための政治を実現する、「日本の権威的な社会の民主化」への画期的な挑戦にほかならない。
 本来、為政者は大衆の生活に同苦し、その福利のために一身を捧げるべき存在である。古代インドで、仏教に基づく慈悲の政治を行ったとされる阿育大王の法勅には、「王は民衆に“債務”あり」との一文が刻まれていたという。
 こうした正しい政治観・国家観を再び確立するため、私たちは「立正安国」の行動を確信に燃えて貫いていきたい。
 そのためにも、粘り強い対話で理解の輪を広げていきたい。人と人の開かれた「対話」こそ、民主主義の王道なのだ。日本の未来を正しく変えゆくために、理念ある対話の波を起こし、勇敢に立ち上がろう!08/09/22 聖教社説より