大白蓮華 2014年(平成26年)11月号(No.780)
巻頭言
自信をもって世の中へ打って出る勇気を、これからの女性に大いに育んでもらいたい──「平和研究の母」ボールディング博士と語り合った願いである。
博士も、”払は我ながら自信が強いほうだと思います。それは母が「人間は誰もが重要な存在なのよ」と教えてくれたからです”と、微笑(ほほえ)んでおられた。
母の真心の励ましに勝(まさつ)る力が、いずこにあろうか。
御義口伝(おんぎくでん)には、「宝浄(ほうじょう)世界とは我等(われら)が母の胎内(たいない)なり」(740ページ)と仰せである。
御本仏が、私たちの生命は、母という何よりも荘厳な宝浄世界から湧現(ゆげん)した尊極の宝塔(ほうとう)であると、明かしてくださっている。この原点に深く目覚めれば、尽きせぬ自信と感謝が込み上げてくるではないか。
初代会長・牧日常三郎先生は、女性こそ「未来の理想社会の建設者」なりと叫ばれ、すべての母たち、女性たちの幸福を祈り、そのために戦い抜かれた。
あまりに崇高(すうこう)な牧口先生の殉教(じゅんきょう)より70年—。
創価の母たちは、「どんな人も仏の生命を持っている」という大哲学を掲(かか)げ、「必ず幸せになれる」「どんな宿命も転換できる」「絶対に大丈夫!」という大確信の励ましを、1人また1人に贈り続けてきた。
そして今、日本全国も世界各地も、婦人部と女子部の麗(うるわ)しいスクラムが黄金の輝きを増し、「白ゆりの心」を脈々と受け継ぐ「華陽(かよう)の乙女たち」が、仲良く朗らかに希望の対話を広げてくれている。
創立の父も、どれほどお喜びくださるであろうか。
白ゆりと
華陽の宝友(とも)に
ロマンあり
女性の世紀の
生命の賛歌(さんか)を
女性の一生は「幸福の門」を開く劇といってよい。
なかんずく、「女人成仏」の妙法を受持した女性は、自分も幸せになり、縁(えん)する家族も、眷属(けんぞく)も、地域も、社会も、世界も、未来も、幸福へとリードできる。
その途上に起こる波乱(はらん)の一幕一幕は、自他共(じたとも)に永遠の福光(ふっこう)の大境涯を勝ち開くためにこそあるのだ。
わが師・戸田域聖先生も温かく包(つつ)み励まされた。
「何でも一筋縄(ひとすじなわ)では行かないのが人生だ。しかし、全部、意味がある。苦難が大きい分、功徳も大きい。
妙法を抱(だ)きしめて、障魔(しょうま)よ何するものぞ! と戦うんだよ。信心は自分を変え、一切を変える力だ」と。
これほど明るく、これほど気高く、これほど人々に歓喜と感動を広げゆくロマンの舞台があろうか。
「昭和47年7月豪雨」と記録される災害の折、愛する山光の島根で救援(きゅうえん)に走った同志の中に、忘れ得ぬ母がいる。長年、悪口罵言(あっくめり)の中、弘教を貫(つらぬ)き、破産(はさん)の危機(きき)も克服(こくふく)し、地域に信頼を広げてこられた。
「人のために悩み折れることが最高の功徳です。試練を打ち負かすまで、とことん一緒に勝ち切ります。
1人から喜びの物語は始まるのですから!」と。
「目標は母です!」と、白蓮グループ、鼓笛隊出身の嬢さん方はじめ、ご家族も地域の友も颯爽(さっそう)と続く。
女性の涙の上に築かれてきた人類史を転換(てんかん)しゆく、創価の婦女一体の「喜びの物語」「希望の物語」「ロマンの物語」は、いよいよ楽しく賑(にぎ)やかだ。
世界広布新時代の躍進の門は、ここに聞かれた!