大白蓮華 巻頭言
誇り高き友情と信頼の共鳴を!(大白蓮華 2014.1月号)
苦楽を分かち合える友がいる。共に誓願に進みゆく連帯がある。これほど心弾む魂の共鳴はあるまい。
18世紀フランスの哲人ボルテールは叫んだ。
「友情と真理が憎悪と不実に勝つはずです」と。
この娑婆世界には、「生老病死」の苦悩が渦巻き、人を不幸に陥れる悪縁がはびこっている。
しかし、ひとたび旭日が昇れば闇は消え去るように、どんな悲嘆も断じて打ち破り、どんな宿命も断じて転換していく「仏性」という元初の太陽が、万人の生命にある。
新しい一年も、また、新しい一日も、この太陽を自他共に呼び覚まし、歓喜の光を漲らせていくのが、我らの奏でる至高の友情の調べなのだ。
御聖訓には、「過去の不軽菩薩は一切衆生に仏性あり法華経を持《たも》たば必ず成仏すべし、彼れを軽んじては仏を軽んずるになるべしとて礼拝の行をば立てさせ給いしなり」(御書1382?)と仰せである。
法華経に説かれる「不軽菩薩」は、自分から声をかけ、人々の仏性を敬い、目覚めさせていくのだ。
誰人たりとも、妙法を受持すれば、必ず仏となる。ゆえに、不軽菩薩は反発されても、少しも懲りない。いやまして生命力を発揮して、法を説き弘める。その一貫した戦いに、不軽を侮っていた衆生たちも、最後は信伏随従し、法華経の正義の陣列に加わるのだ。
この究極の人間尊敬の行動を、そのまま受け継いできたのが、我ら創価の不軽のスクラムなのである。
誓願の
誉《は》れの舞台で
常楽の
宝友《とも》をつくれや
声も惜しまず
兵庫広布の尊き母は、あの阪神・淡路大震災で、自宅も我が子の家も全壊した。それでも笑顔を失わず、皆を励まし、地域の復興に尽くし抜いてこられた。
今、すべてを変毒為薬されて晴れ晴れと語る。
「つらい経験をして、命を見る眼が変わりました。皆に仏性があると思えば、温かい心が込み上げます。勇気が湧きます。友の幸福責任者は私です。『私たちは負けへんかった。勝ったんや!』と讃え合えることが喜びです」と。さらに、新たな10人の友人の拡大をと、元気に若々しく対話を続けておられる。
友を思う祈りほど、気高く深く、強いものはない。日本全国、そして全世界で、わが同志の慈愛と確信の声が、縁する友の生命を蘇らせているだ。
一人一人が「十界互具」「百界千如」「一念三千」の尊極の妙法の当体である。ゆえに、一人一人との心の絆から、地域も国土も確実に変わっていくのだ。
わが師・戸田城聖先生は叫ばれた。
「我々に、折伏する人がいなくて困るということはない。数多《あまた》の眷属と共に生まれ出ているからだ。
仏の種を蒔こう。最初は聞かなかったとしても、時が来て、必ず花開くことは決まっているのだよ!」
「大法弘通」の誓願に勇み立つ地涌の大行進が、いやまして明るく賑やかに始まった。広宣流布の大誓堂からは、創価家族の題目の師子吼が轟きわたる。
さあ、我らの呼びかけを無数の眷属が待っている。
誇りも高く、友情と信頼の語らいを広げゆこう!