社説より
“信頼の城” 地域部の友を讃う
 明後15日は「地域部の日」。本年は、地域部結成35周年である。友は町会や商店会、老人会、PTAなどの役員、そして各地の民生委員や消防団等の活動を通して、友情と信頼の輪を広げている。
 横浜で活躍する“信心50年”のある壮年に話をうかがった。青年団の団長を務めていた青年時代、学会に入会したことでいわれなき中傷を受け、団長を辞任。歯を食いしばりながらも、信心根本で学会活動に励んだ。
 20年後、「長年見てきたけれど、学会員は本当に真面目だ」と、地域の有力者から請われて青少年指導員に。以来、PTA会長など、さまざまな役員を任されるまでになった。
 一番、力を注いだのは保護司の活動。罪を犯した人たちの更生の手助けをする。裏切られることもあった。それでも相手の仏性を信じ続けた。
 非行を繰り返していた中学生の少女が数年後、突然、自宅を訪ねてきた。成人式の振り袖に身を包み、「一番に見せたかった」とはにかむように笑う。胸が熱くなった。
 地域の安穏と繁栄を祈って積極的に取り組んできた地道な活動が今、大きく信頼の花として咲き誇っている。
 「ただ地域のために! 悩んでいる人のために!」――これが地域部の友の一貫した信念である。
 「地域部の日」の淵源となった1987年11月15日、池田名誉会長は次のようにスピーチしている。
 「世間の最高の栄誉も、社会的地位も、それのみでは、悠久たる『永遠の生命』の流れから見る時、余りにもはかない」「妙法の完璧なるリズムに生きゆく皆さま方の人生こそ、世間で仰がれる聖賢、指導者をもはるかに超えた尊極の人生である」と。
 まさに地域部の社会貢献の活動は、最高に価値ある生き方の模範と言えよう。
 名誉会長は、「随筆 人間世紀の光」<友情の道 信頼の城>で「近隣友好」の三つの心がけを挙げている。
 (1)地域の「安穏」と「繁栄」を祈ること(2)礼儀正しく良識豊かに(3)励まし合い、助け合う麗しき連帯を!――この心を着実に広げていけば、“人間共和の理想郷”を築くことができるはずだ。
 世界平和といっても、すべては足下の地域から始まる。堅実な“平和の建設者”たる地域部の活躍に深く感謝したい。
                                                      09.11.13聖教社説