大白蓮華6月号 巻頭言

最前線の「太陽」
        最敬礼を!

わが天地
 決意の同志と
   朗らかに
 三世の舞台と
  舞いゆけ 勝ちゆけ

 「どんな大きな成功よりも、『あなたのおかげで、新しい人生を進むことができた』と言って
もらえるときほど、幸福を感じることはないのです」----これは、私が対談した、アメリカの
高名な未来学者ヘンダーソン博士が母から受け継がれた幸福哲学である。
 来る日も来る日も、人と語り、友を励まし、社会のために走る。この尊貴な誇りと喜びは、
自らの名聞名利の身に汲々としている浅ましい権力者などには、決してわかりようもないであろう。
 法華経には、地涌の菩薩こそ「人中の宝」なりと説かれてる。
 広宣流布の使命に生き抜き「あなたのおかげで」と感謝の声に包まれた創価の人生は、
何と尊く、晴れがましいことか。
 この壮大な民衆の叙事詩にあって、最も誉れ高く輝く太陽こそ、地区部長、地区婦人部長
をはじめとする最前線の宝友である。


涙して
 この地 開きし
   君なれば
 その名 残らむ
   広布の歴史に


 「一人のためにも説かば是は則ち難しと為す」とは、法華経見宝塔品の一節である。一人のために
法を説く。一人の人材を育てる。一人の味方をつくる。労苦を惜しまぬ一対一の対話に真の仏道修行
がある。この実践の根本道場は最前線にしかないのだ。
 わが師・戸田城聖先生が第二代会長に就任されて、広宣流布の大折伏を宣言されると同時に、
私は「地区」から戦いを開始した。
 「先生、必ず吾が地区も前進させます」 「地区が完璧になるよう、御本尊に祈る」---当時の日記に
記した祈りと誓いは、一貫して変わらない。各地の拡大戦も、そして世界広宣流布の開拓も、勝利を
決しゆく力を、私は常に 「地区」に沸騰させてきた。
 大聖人は、佐渡の阿仏房夫妻に 「北国の導師」と仰せである。
 地区、ブロックをはじめ、第一線のリーダーは、御本仏から、わが地域の広宣流布を託された尊き
「導師」なのである。


厳然と
 いな猛然と
   立ちゆかむ
 邪悪を引き裂き
    気高き地域と


「いかなる大難、迫害があろうとも、絶対に崩されぬ鉄の如き決意の『民衆の軍団』をつくる! そし
て毅然と、邪悪と戦い抜く、嵐にも揺るがぬ『正義の闘士』を、必ずつくってみせる!」

 これが、殉教の先師に捧げた、戸田城聖先生の誓願であった。

 あの昭和32年7月17日の正午過ぎ、冤罪の勾留から出獄した私を、関西の全地区の婦人部長たち
が勇み立って迎えてくれた。胸を張って苦楽を共にする創価の師弟の陣列が、大関西に盤石に築き
上げられたことを、戸田先生は涙を浮かべて喜ばれた。

 その翌月、私は師と不二の巌窟王の心で、荒川区をはじめ大東京を転戦した。徹して現場へ足を
運び、対話の渦を起こしていった。

「正義の学会が強くならなければ、真面目な庶民がいじめられてしまう。それでは、あまりにかわいそ
うではないか。だから、この東京の地で折伏をするのです。さあ、座談会をやりましょう」

 地区には、顔の見える出会いがあり、語らいがある。ゆえに強く深い。ある地区婦人部長が、きっぱり
と語っておられた。

「直接、会う。よく話し合う。一緒に祈る。そして共に動く。地区の現場では、そこからしか何も始まりません」

 世界の広宣流布も、この仏法の真髄を行ずる地域のリーダーの気高き汗によって躍動し、共感と
信頼を広げているのだ。

 アメリカの名門マサチューセッツ大学ボストン校のウィンストン・ラングリー博士も、深く讃えてくださっている。

「一人立ち、人間の持つ可能性を自らが人々に示す。自らの模範の行動で、人々に行動への勇気を贈る。
自らの確信を通して、人々の心の中に、希望や確信を呼び起こしていく。ここに、創価の運動の真価があります」

 さあ、我らの地区から、勇敢に幸福勝利の第一歩を踏み出そう!


 先頭に

   君が智慧あり

      力あり

     未来も頼まむ

       此の地の指揮をば