創立記念日 おめでとうございます

世界市民 池田大作』(東洋哲学研究所編、第三文明社刊)が感動を広げている。

 世界から3400を超える顕彰が贈られた池田名誉会長の行動を、世界の識者の声等で検証した一書だ。

 同書の書評を寄せた評論家の岡庭昇氏は、名誉会長がこれらの栄誉を受けてきた意義として「宗教社会運動たる学会を守るため」という点を挙げている。

 その中で、歴史上の思想・宗教弾圧の傾向性をこう指摘していた。

 「ナチスは突然悪魔が来たように成立したのではない。日本の戦時下の軍事独裁も、特別な事態など何も起きてはいないという平時の意識の延長上に、さりげなく成立した筈である」「独裁は、だがひとたび成立すれば(中略)必ず信仰を弾圧する」。

 「創価学会への戦時下の弾圧は、平和な日本の延長上の独裁のもと容易に実現し得るということである。そのときに備えて、池田はいわば体を張って国際連帯の道を志向したとわたしは思っている」(「週刊読書人」10月31日号)。

 学会への正視眼の理解。そして今日の社会状況への警鐘でもあろう。
 学会は、牧口初代会長と戸田第2代会長が軍部権力に抗して投獄され、初代会長が殉教した歴史を持つ。初代・2代の魂を受け継ぐ名誉会長は、人類の歩みに貢献すると同時に、日本をはじめ192カ国・地域の民衆を守るため、命がけで世界と友誼を結んできたのである。

 平和でいることを当たり前のように感じがちな日本人だが、日常の「延長上に」「さりげなく」、社会を人権侵害の危険な方向へ煽る動きには警戒を怠ってはならない。学会が、青年部を先頭に「心して政治を監視」(戸田会長)する理由の一つもここにある。

 「立正安国」の哲理による学会の対話運動は、日本社会を正す精神の大地だ。その場その場の政略や宗教蔑視の感情による讒謗を跳ね返し、生命尊厳の潮流を広げる前進に世界は讃嘆を惜しまない。

 インド・アジア協会のデー事務総長は「池田博士の思想に、今こそ、更に光を当てねばなりません。21世紀へ、慈愛に満ちた『新しい世界』をつくるために」(名誉会長への「タゴール平和賞」授与式)と呼びかけている。

 創立78周年の「11・18」。我らは師匠への報恩感謝に燃えて、「創価の正義」を堂々と語り広げようではないか。(聖教:社説)