名誉会長、40言語で出版の壮挙

池田名誉会長の著作の国際出版が、ギリシャ語版『私の釈尊観』で40言語に達した。同書の発刊を祝し、2月にはギリシャ国際作家・芸術家協会から「パナシネア(汎アテネ)賞」が贈られた。

 「40」という多彩な言語での出版は、世界のほとんどの地域で著作が読まれていることを意味する。海外出版の総数は、間もなく1000点に達する。驚嘆すべき壮挙である。

 じつは、日本人の著作が海外で読まれること自体、まだまだ少ないのが現状だ。

 国際交流基金の調査(1999年)では、96年までの18年間で日本語から外国語に翻訳・出版された本の数は、外国語から日本語に翻訳・出版された本のわずか30分の1に過ぎなかった。文化庁では2002年から、日本の近代の文学作品を海外に紹介する事業を推進しているが、この背景には、現状への強い危機感がある。

 こうした点から見ても、名誉会長の海外出版の多さは群を抜いている。小説・随筆・詩・対談などの多彩な著作では、随所で日本の歴史や文化も言及されている。40言語もの出版活動が、日本への理解と友好の一助を担ってきたことは間違いない。日本の国が誇りとすべき一大事業であろう。

 そして、仏法哲学を基調として人類の平和と共生の道を綴る名誉会長の著作は、世界の指導者・識者に大きな影響を与えてきた。

 インドのナラヤナン元大統領は自身のスピーチについて“名誉会長の著作からアイデアを引き出している”と語っていた。南アフリカマンデラ前大統領が、獄中で名誉会長のエッセーを読み、啓発を受けたのも有名である。

 中国作家協会の孫立川博士は、名誉会長と歴史家トインビー博士との対談集について「新たな“千年”を貫く真理がちりばめられています。いつの時代にあっても普遍な、人類が立ち返るべき原点が記されている」と力説した。

 名誉会長の著作には、民族や文化の差異を超えた普遍性がある。生老病死の苦悩を越えて、真に幸福な人生を創るための哲学が脈打っている。戦争を平和へ転じるための方途が明快に示されている。

 「言葉」は消えるが「活字」は残る。2000年以上前にプラトンが書き残した「対話編」の数々は、今でも英知の書として人々を照らしている。

 名誉会長の著作の数々もまた、時代を超え、国境を超えて、人類の行く手を指し示す「道標」として輝き続けるであろう。(08.04.09:聖教社説より)